昨年、警官により黒人青年が撃たれたり、首を絞められたりした事件があり、いずれもこの警官が不起訴になった。勿論この警官の行為も問題になったが、それを裁いた(?)大陪審も問題となった。ほとんどの陪審員が白人だったため、公正な裁きが行われなかったのでは?と疑問視する声も。
たまたま大陪審をやったことがあるという人が身近にいた。勿論州、地域によりいろいろと異なるのだろうが、その人は週1度3か月ほどこの大陪審を務めたそうだ。その日は朝から一日いろいろな事件を審議する。いろいろな証拠も見るし当事者の話も聞く。この場で死刑とか懲役とかが決まるわけではない。完全無罪となるか、この後、裁判にかけるかを決めるらしいのだが、大げさに言えば人生がかかっている。その人は納得のいくまで質問をしたそうだ。勿論周りの人も同じ姿勢に見えたそうだ。報道などでは、その瞬間のビデオなどばかりが繰り返し放送されるが、その前後の状況や関連する事柄などもしっかりと審議される。そして制限時間があるわけではなく全員が納得したところで、起訴不起訴が決まるということだ。
今回は、白人ばかりの陪審員ということで誤解を招くようだったようだが、きっと選ばれた人たちも、人種など関係なく真剣に審議をしたと思うとその人は言っていた。そんなに軽々しいものではないらしい。ただ、疑わしきは罰せず。決定的な証拠がない限り有罪とならないというのが大原則となるそうだ。
ニュースなどでは軽々しく『問題』とされているが、こんなにも一生懸命取り組んでいるのにちょっと失礼にあたるのではとも思った。なかなか中身の濃い話を聞くことができた。
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