25冊の壁
子供に本を読ませようとあの手この手を使うのは古今東西みな同じ。日本の学校では毎朝読書タイムを設けているところも多いとか…。
小僧の学校では、1年25冊というのが掲げられている。1年といっても学校に通っている間だから正味10ヶ月で25冊。1ヶ月2.5冊だ。もちろん、その子供の能力に応じて先生が指導する。1年生のころは10分もあれば楽々読みきる本ばかりだった。しかし5年生になった今年、これはかなり厳しいものになっている。小僧は決して読書はきらいではない。読みだせば、話しかけても耳に入らないほど集中する。しかし、やはりいろいろと忙しい。宿題も時間がかかるものが増えてきた。習い事もあるし、友達とあそばなくっちゃいけない。補習校もあるし…。と結局読書はあとへあとへと押しやられてきた。月1冊の読書感想文のような課題をこなしているだけ…。
学年末が近づいてきて、担任の先生からのチェックが入った。小僧はまだ14冊。ひぇ~。あと11冊もどうするのさぁ。この読まなくてはいけない本もなんでもいいわけではない。必ず担任の先生に見てもらい、OKをもらわないと『読んだ』とカウントされないのだ。もちろん小僧の好みだってある。最近の小僧は、私たち親が全く手がでないような本を読んでいる。「Lord of the Rings」もそのひとつ。映画が流行ったやつだが、大人本のコーナーに並んでいる分厚い本。これがシリーズで合計4冊。老眼気味の目にはなんとも厳しい小さな文字が並んでいる。これを読みたいというのだ。読むのはいいが、1冊読むのにかなりの時間がかかる。到底25冊に間に合わないから…。と大人としての意見を言うが聞く耳を持たない。そして読み出したのはよいがやはりなかなか進まない。そこで小僧は考えた。この本を担任の先生に見せ「他の本より字が小さいし、厚い本だから1冊で2冊分のカウントにしてくれ!」と交渉したらしい。(笑)先生ももちろんOKをくれたようだ。そんな話を聞くとこちらははらはらどきどき。いつそんな知恵を身につけたのか?担任の先生は「彼は立派なネゴシエーター(交渉人)だわ。将来は弁護士になるべきよ!」と笑っていた。なんだか一人でどんどんアメリカ人になっていく小僧だ。
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