チェロ弾きの小僧
小僧はすっかりとチェロ小僧となった。年度末になり最後のレッスンも終わり、周りはさっさと楽器を返し始めた。借りた時と同じで、もたもたしていると先生より手紙が 来た。「1年間よく頑張ったね。楽しかった。もしできれば夏休み中も楽器を返さずに手元に置いておいて練習してほしい。毎日じゃなくてもいいから。そうしたら習ったものを 忘れないよ。」
余談…
こちらの先生からの手紙はたいていこんな感じ。私達日本人は「そうしないと習ったものを忘れてしまうよ」と否定的に表現 しがちだが、アメリカ人は肯定的に「そうしたらOKだよ!」と表現する。なるほど。これが褒めて育てるということ?
小僧は来年もチェロをやりたいという。まぁ。チ ェロならいいだろう。それほど被害は大きくない。(友人のアメリカ人のお母さんは「バイオリンが終わって本当にほっとしているの。さっさと楽器は返しちゃったわ」と言っていた) それならやはり夏休みの間も楽器は手元にあったほうがよいなぁ。楽器のレンタルは9月から10ヶ月の契約だけれども、今から12ヶ月契約をしてもらおう。どうせハーフサ イズのチェロはいくらなんでも小さくなり、次回は3/4(3クォーター)サイズにしなければいけない。丁度いい。という結論になり、借り換えようと楽器屋に行く。
楽器屋 で「夏休みの間も楽器を手元においておきたいので、今から来年分を借りられない?」と聞いたら、怪しげな店番のお兄さんはおもむろに電話を始めた。どうやら元締めに 問い合わせをしているようだ。それによると
- とりあえず我が家の契約は7月末まであるから楽器はそれまで持っていてよい。
- もうしばらくする と契約更新書(リニューアル)が送られてくる。
- これにサインすると、楽器を夏休みの間(2ヶ月間)無料で借りておくことができる。
- 楽器のサイズを取り替えたければ、これにサインしたあともう一回来たら替えてあげる。
なんだかいい展開。そうかいそうかいとまたギターサイズのチェロを持っ て帰る。1週間ほどしたら、この契約更新の書類がやってきた。お兄ちゃんの言うとおりのことが書いてあったので早速サインをして送り返した。
楽器は年度末 に学校で集めて、それぞれの楽器店に返してくれたりするが、いろいろな例外やら特例があるので、聞いてみない手はない。
またまた余談…
しかし いつもながらこちらの芸術に関するものにはびっくりさせられる。チェロを1年間借りても$200しない。保険やら税金を入れても$250しないのだ。これがバイオリンだと$100しないとか。美術館だってとても安い値段で入ることができる。小さいころから、いろいろなことに触れたり体験したりするチャンスがあり、こちらの人は幸せだと思う。何もこれで大成しなくてもよい。しかし、こういう絵が好きだとかこういう音楽が好きだとか、本当に芸術が深く根付く環境にあると思う。
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